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初の展示会、どうだった?
Factory Talk

ファクトリートーク

#08(後編)

国内最大級の業務用専門展『ファベックス2023』に出展

初の展示会、どうだった?
―代表取締役社長 高津、東京営業所 所長・宮本 担当・小林、企画開発部 チームリーダー 長野―

食にまつわるメーカーが多く参加した展示会で、初めて作ったオリジナル商品である紙トレーやランチボックスはどのような反響があったのか、参加した社員に尋ねました。

Factory Talk
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業務用食品・食材、機器、容器の総合見本市といわれ、専門バイヤーが集結する『ファベックス2023』。中食・外食、スイーツ&ベーカリーなど、あらゆる食のメーカーがそろう中、紙容器を製造する高津紙器がオリジナル商品を出展しました。初めて参加した展示会を終えて、出席した社員がそれぞれどう感じたかを話し合ってもらいました。

展示会の参加で学んだこと

ー 展示会に参加した6人は、どう選ばれた?

高津

東京の営業所の者が交代で出て、本社から松本・長野という感じですね。 当日の感想としては、展示会に出てみるとお客様やいろいろな方もが来てくれて、みんな対等に話すことができていると感じませんでしたか?普段はお願いしますと売り込んでいくことが多いので、とても新鮮でしたね。

小林

確かに、そう思いました。

高津

「売ってもらえるんですか?」と尋ねてくれたことも。高津紙器の企画力や、いろいろなことができるっていうのを認めてもらえた印象があり、とてもうれしかったです。 問屋さんも多くて。僕が印象的だったのは「こんなこと前からやってた?おたくのこと知らんかった、こんなことやってたんだ」という言葉。業界ではまだまだ無名なんだなと思いました。

たくさんの人が立ち寄るブース。熱心な質問を受けることも。

たくさんの人が立ち寄るブース。熱心な質問を受けることも。

高津

オリジナル製品って、リスクもあるんですがそれを負ってでも発表しないといけない、と実感しました。展示会の場で注文が決まったところもあります。大手スーパーやコンビニ、航空会社、竹下通りの新しいお店などなど、新たな案件が進んでいますね。

僕たちの商品が良いというよりも、僕たちの商品と時代が合っているんだろうな、と。とても気持ちがいいですよ。時代に逆行するのってしんどいじゃないですか。

宮本

今まで営業活動でたくさんの人に出会いましたが、展示会ではこれまで会えなかった方々と会うことができて。普段は、あの企業に営業に行こうとか、決まってるじゃないですか。全然知らない業種の人にもすごく興味を持っていただきましたよ。

例えば、アイスクリーム屋さんとか。お台場でフェスをやっているような方から「おたくのこれを使わせてください」と言われたりとか。「こういうルートもあるんだな」という発見もありました。

前職ではいろんな展示会に出たことがあるんです。雑貨系の職だったのですが、通っていく人を呼び止めなきゃいけなくて。ブースの前に立って、「いらっしゃいませ」と声をかけて、パンフレットを持って構えている。ビッグサイトに行けばどの展示会もだいたいそんな感じ。

見に行ったことも何度もあって、いろんなパンフレットを渡されるんです。立ち止まるとすぐ名刺交換というパターンが多い。だけど、今回はお客さんが次々来てくれて待ってくれていたので、呼び込みなんかまったく必要なくて。

前は、時間が余ったらいろんなブースを見に行ってたんです。「どんなんが出ているんだろうな」とか。 今回は食べ物だったので、いろんな試食があるんですよね。それが楽しみだったんですが、お客さんが多かったのでまったく離れることができなくて。朝からお昼ご飯の30分だけしか抜けられない、みたいな。 今回は本当に時代が来たと感じましたね。脱プラの影響はすごいなと。

長野

私は、他社の商品を手に取って拝見できる絶好の機会だと考えていましたので、後輩ととことん会場を回りました。 形状や商品説明の展示パネルなどはもちろんのこと、展示している食品容器に「本物の食品」や「食品サンプル」を入れている企業様がほとんどでしたが、ある数社の企業様は食品画像のカラー出力を1枚容器に入れているだけでした。 それでも一見すると本物の食品が入っているように見え、これなら設営準備もラクであり経費も削減でき、来場客の方もイメージが湧きやすくてとても良いアイデアだと思いました。

その他、食品容器から展示台まで全て紙にこだわっている企業様もいらっしゃってよりSDGsへの取り組みをしているのだという説得力が感じられたり、何より新たな企業様と繋がるきっかけにもなりました。

今後、顧客となる企業や刺激となるアイデアに出会うなど、収穫は多い。

今後、顧客となる企業や刺激となるアイデアに出会うなど、収穫は多い。

一番好評だったオリジナル商品とは

宮本

新商品で紙わっぱを前面に打ち出して、これを武器に行こうと思ってたんですが、端っこのほうに置いてた舟形トレーがなぜか一番人気だったのは印象に残っていますね。

高津

宮本さんはそう感じているみたいですが、僕はそうではなかったんです。 たこやきって木で作った舟に入っているじゃないですか?それを紙で作っただけ。でもその商品が反響があるだろうなと予想はしていた。

宮本

たこ焼きは木でつくっている器が主流なんです、ただ、すべて木がロシア産で、戦争が始まったせいで安定的に入ってこなくなったんですよ。それで、木を中国製に変えてどんどん売っているんですけど、質は悪くなり、値段は高くなっている。

木の器を使っているところは、台湾有事が懸念されていたりと、どうなるか分からない。それで日本の紙でできないかと考えた。みなさん足を止めて説明を聞いてくれたのはこの事情が大きい。舟形は特許申請しており、他社にないものを作っています。 「ちょっとサンプルください」とか「誰に連絡したらいいですか」とか、声をかけてくれました。

レンジにも対応し、強度も問題なしの紙わっぱ。

レンジにも対応し、強度も問題なしの紙わっぱ。

小林

僕は紙わっぱが一番反応があると思いました。フチがついてるやつです。某スーパーの方がいらしてて、紙でどこまでいけるのかというところを気にされていたんですが、手に取ってみていただいて。これなら現場からも支持されるだろう、と言ってくださりました。

まだまだ「紙ってどうなの?」っていうことが払拭できるのか疑念がある中で、納得していただけるのはうれしいですね。

高津

とまぁ、個人個人で感触は違うようです。私たちにとっては全部紙なので。

社内では、展示化の後に営業会議で「これがどうだった、ああだった」というのは話し合いましたね。お客様の数が多かったので、名刺交換を100枚くらいさせてもらって。今後それをどう生かしていくのかと考えています。

プラ+紙=高津紙器

次なる目標に向かう

ー 新しいオリジナル商品を作る予定はある?

小林

あります。サラダが入るようなボウル。けっこう底が深いんです。

高津

東京のビジネス街でサラダ専門店が増えてきてるんです。ランチに意識高い系の女性が、サラダにドレッシングかけてランチに食べる。その容器にトライして、一応これが最新の商品として完成しました。 今は、さらに改良を加えているところです。

千円くらいするサラダで、前はプラスチックの容器が主流だったんですけど、紙に変わってきているんです。どこも円形なので、紙で四角いものを作りました。

高津

無名な会社が表に出るには、展示会に出るのは手っ取り早いなとは思いました。元々お付き合いしているお客様も来られていて、「あぁ、高津さん頑張ってるね」という話にもなりますし。 「なんでもできるんで、なんでも作らせてください」というのが、この業界多いんですけど、そういうのが嫌なんですよね。自分達から情報を発信するとか、商品を提案するとか。そうしていかないと面白くないですよね。

展示会に出てみて、客観的な意見をもらったことは今後の糧になると、全員の意見が一致。

展示会に出てみて、客観的な意見をもらったことは今後の糧になると、全員の意見が一致。

宮本

オリジナルの製品を作ったたことで、仕事の幅が広がると思いました。今までやったことがないようなものを作ったので、私たちのスキルアップにもなったし、他社がまだやっていないものに着手したっていうのも大きかったかな、と。

高津

次の目標は、僕らが営業しなくても注文が来るような仕組みができたらいいですよね。時間かかるかもしれないけれど。
展示会に出展したことは、その目標に近づく一歩だったのかなと思います。

高津社長

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高津紙器工場の写真

高津紙器では、新工場の完成・南工場のリニューアルに伴い、これまで以上に衛生・品質管理を徹底し、お客様に安心した商品をお届けできるように努めています。実際、どのような取り組みを行っているのか、どのようなメンバーがものづくりをしているのか、工場のありのままの姿を、さまざまな社内取材を通してみなさまにお伝えしてゆきます。

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